本院における虚血性大腸炎の臨床的検討
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概要
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本院で経験した虚血性大腸炎9例について臨床的に検討した。1) 平均年齢は68歳で,男女比は1対2であった。2) 症状としては腹痛,下血,血便,下痢,嘔吐などが多く,これらの症状は2週間以内に消失した。3) 動脈硬化に由来する基礎疾患が約半数にみられた。4) 病型の内訳は一過性型が8例で,狭窄型が1例であった。5) 病変は下行結腸に最も多くみられ,注腸造影では拇指圧痕像,大腸内視鏡では縦走する発赤,びらん,潰瘍が特徴的であった。以上より高齢者の腹痛,下血,下痢などの症状をみた場合,虚血性大腸炎は常に鑑別しなければならない疾患の一つであり,診断に際しては早期の大腸造影,内視鏡検査が必須であると考えられる。
- 北里大学の論文
- 1988-08-31
著者
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