胃潰瘍辺縁粘膜の拡大内視鏡的ならびに病理組織学的観察
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概要
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拡大胃ファイバースコープ GIF-HM (拡大率:最大35倍)を主に用いて個々の胃潰瘍の辺縁再生粘膜像の経時的変化を追跡観察し,臨床経過とあわせて検討した。その結果,拡大内視鏡観察にてえられる潰瘍辺縁の再生像とその生検標本の詳細な組織学的検索から潰瘍の治癒過程,すなわち易治性か難治性かについて内視鏡的粘膜模様の所見により予測できる成績をえた。胃潰瘍辺縁再生粘膜模様は基本的には結節状,柵状,紡錘状よりなる粘膜模様で構成されていた。生検の組織学的検索より,結節状粘膜は比較的再生の進行した上皮であり,紡錘状および柵状粘膜は結節状粘膜に比し新しい時期の再生粘膜像であった。これらの結果より,逆に潰瘍辺縁に出現する粘膜模様から潰瘍の臨床的経過,あるいは潰瘍の時相判断を可能とする有力な指標となり得る事が判明した。
- 北里大学の論文
- 1981-12-31
著者
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