市場と組織の取引コスト分析 : Barnard-Simon理論からWilliamsonのTCE分析へ(4:結)
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概要
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本稿は、組織論の古典であるC. Bamardの主著 (1938)刊行50周年を記念して開催されたセミナー(於University of California at Berkeley)において、O. Williamson-セミナーの組織化を担当-が呈示した論文(1990)に依拠しつつ、Williamsonが自らの推進する「市場と階層(組織)」のTCE (Transaction Cost Economics)分析に関して、当該分析がsimon理論(-Barnard (1938)を基礎理論として構築された管理論-)から選択的に継承した概念的インプットとして、「限界合理性」(simon, 1957)、「微視的分析」(Simon, 1984)、「雇用関係」(Simon, 1951)、「階層」(Simon, 1962)、「下位目標の追求」(March/Simon.1958)を取り上げて、それらとTCE分析との関係を論じている。Williamsonの展開するTCE分析と、それに批判的な見地からSimonが構築を試みる「組織経済論」(Simon, 1991)が、理論的な統合へと向かうか否かに関しては、現時点では否というべきである。さらに、組織論や経営戦略論に対する貢献度を比較するとき、今日的には、TCE分析のそれが顕著であるといえよう(Carroll et.al., 1999)最後に、本稿は、Williamson (2000)の結論部分-'…理論[市場と組織の比較分析]に見られる差異は、相互補完的なものであり得るが、それら理論間のニュアンスの差異の理解を必要とする(p.34)"-を引用して結びに代えている。(本抄録のREFERENCESについてはAbstractを参照。)
- 北海道情報大学の論文
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