リット政治教育思想の研究 (V) : 国家暴力と道徳
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概要
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チス期は「暴力」支配の時代であった。1942年にリット (Theodor Litt) は一書を著したが, それは『国家暴力と道徳』 (Staatsgewalt und Sittlichkeit) と題されている。この書においては, 「暴力」, そして「国家暴力」が, 人間の「自由」に発しており, したがって「道徳的抑制」を必要としていることが主張されるとともに,こうした抑制を否認する「自然主義」の典型例として, ヒトラー (Adolf Hitler) の『わが闘争』 (Mein Kampf) が組上に載せられている。本稿では, 特にこの『国家暴力と道徳』を取り上げることによって, リットのナチズム批判の最終局面を明らかにすることにしたい。
- 大阪教育大学の論文
- 2004-09-30
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