リット政治教育思想の研究(1) : 文化教育学における「ナショナリズム」問題
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概要
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プラトン以来,「政治教育」の問題は教育学の根本テーマに属してきたが,今世紀のドイツ教育学において,とりわけこの問題に生涯にわたって取り組み,時代の政治状況のなかで独自の政治教育思想を展開したのがテーオドール・リット(Theodor Litt)であろう。しかしながら,これまでのリット研究にあっては,こうした彼の側面については,必ずしも十分な関心が払われてきたとはいいがたい。そこで,本稿では,リット政治教育思想の研究の手はじめとして,ヴァイマル期の彼の文化教育学においていわゆる「ナショナリズム」の問題がいかに論じられているかを取り上げ,その意義や問題点等について考察することにしたい。Seit Plato hat das Problem der politischen Erziehung zu den padagogischen Grundthemen gehort.Unter den deutschen Padagogikern im 20.Jahrhundert beschaftigte sich vor allem Theodor Litt,ein wichtiger Vertreter der geisteswissenschaftlichen Padagogik,sein ganzes Leben lang mit diesem Problem.Er entfaltete in der intensiven Auseinandersetzung mit der politischen Situation der Zeit seine eigne Theorie der politischen Erziehung.Bisherige LittForschung hat aber diesen Aspekt der Padagogik litts nicht genugend beachtet.Die Aufgabe der vorliegenden Abhandlung ist,seine kulturpadagogische Diskussion uber das Problem des Nationalismus in der Weimarer Zeit aufzugreifen und nach ihrer Relevanz zu fragen.
- 大阪教育大学の論文
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