変形性膝関節症および慢性関節リウマチにおける人工膝関節置換術後透視下動態解析.
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概要
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【目的】従来膝関節の動態解析は,筋肉・皮膚など軟部組織を介して体表面上に関節角度計や表面マーカーを設置し行われてきた。これら軟部組織の影響を受けないX線透視を用いた人工膝関節置換術(TKA)後の三次元動態解析を行った。【方法】TKA後一方向X線透視により得られる透視画像をコンピューターに取り込む。得られた画像を透視装置固有の歪みにより補正し,これをCADモデルデータにより得られる像とコンピューター上で比較し,各コンポーネントの位置・向きを三次元的に決定した。術後経過が良好な変形性関節症(OA)4膝,慢性関節リウマチ(RA)4膝を対象とし,一段の階段昇降を透視下に4回連続で行った。【結果】Contact pointは主に脛骨インサートの中心線より後方に存在していた。Most posterior contact pointは内側がOA, RAまた全症例においても有意に後方に存在していた。Contact rangeはOA, RAとも内側の方が大きい傾向にあり,全症例では内側の方が有意に大きかった。膝関節の屈伸に伴い脛骨は回旋し,screw home movement・lateral pivot motionを示した。【考察】X線透視を用いた本法は,各コンポーネントの運動を直接とらえることができる優れた方法である。今回の解析では,RAは関節全体に変性があるにもかかわらず術後の運動はOAと類似していた。現在,多くの人工膝関節が臨床応用されている。その形状が術後の運動様式に合わなければ,インプラントの破壊へつながるものと思われる。TKA術後のより詳細な動態解析が,より優れたデザイン開発に不可欠であると考える。
- 2002-10-01
著者
-
金山 竜沢
君津中央病院整形外科
-
守屋 秀繁
千葉大学大学院医学研究院整形外科学
-
守屋 秀繁
千葉大学大学院 医学研究院整形外科学
-
鈴木 昌彦
千葉大学大学院医学研究院整形外科学
-
金山 竜沢
君津中央
-
鈴木 昌彦
千葉大学大学院医学研究院
-
Banks Scott
The Biomotion Foundation
-
Hodge W.
Palm Beach Orthopaedic Institute
-
鈴木 昌彦
千葉大学大学院 整形外科
-
スズキ マサヒコ
Palm Beach Orthopaedic Institute
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