釧路湿原の合理的利用方策
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概要
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1.釧路湿原の合理的利用にあたっては湿原水の量的・質的状態が湿原植物にとって有効であることの重要性が述べられた。水は制限資源であること,それに依存する植物によっタンチョウを頂点とする湿原生態系が保持されることと,ツルの維持のために人間のエネルギー補助が不可欠である現状についてOdumの生態語を用いて説明した。2.湿原の合理的利用に当たって4つの前提条件と5つのPlatformsを提示した。これらの条件とPlatformsとに基づき,湿原の合理的利用は全体的な展望のもと,コンプロマイズムの原則に従って諸施策が論議され,実行に移されることの必要性が強調された。3.釧路湿原の価値について,その一つは巨視的景観美にあるとし,観光資源として三次元立体的な景観創造に力点をおくこと,いま一つは微視的景観にあり,このような景観のためには湿原内を歩行したり,諸施設の設定などを行わず,景観保持のために専ら学術研究に限定すべきことを力説した。4.環境科学の重要な基礎部門としてAnthrobiosystemologyなる全機論生物学の樹立が述べられた。ここでは生態系の重要な構成要素として人間の心理環境を含ませること,すなはちNoosphereへの認識が指摘された。
- 1993-03-30
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