遠心ポンプ駆動によるV-V ECMOシステムの開発と臨床応用

概要

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遠心ポンプを用いて, 低充填量回路 (総充填量95ml) を作成し, double lumen catheter (DLC) による veno-venous extracorporeal membrane oxygenation (V-V ECMO) システムを新たに開発し, 新生児症例への応用を念頭に置き, その有用性について実験的に検討した。日本白色家兎5頭に対して, 内頚静脈からDLCを留置し, V-V ECMOを行った。ポンプ流量が100ml/kg/minまでは血圧, 心拍数などの血行動態への影響は少なく, 模型肺前後での酸素含有量の差にポンプ流量を乗じた酸素消費量 (VO_2) は有意に増加し, 本システムによって有効な酸素化が得られる事実が呈示された。以上の所見より, 臨床応用が可能と判断し, 新生児先天性横隔膜ヘルニア2症例に対して, それぞれ72時間, 106時間DLCを用いるV-V ECMOを行った。2例ともECMO離脱後に横隔膜修復術を行い, 救命した。これらの結果より, 遠心ポンプによるDLC下のV-V ECMOは新生児に対しても有用であるという事実が立証された。
1999-03-31