情報化社会における会計情報開示 (経済学部50周年記念号)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
意思決定有用性アプローチは、合理的な経済的意思決定を行うために有用な情報の提供を目的にしている。1960年代に提唱されて以来、開示される会計情報の量的拡大に寄与してきたのである。しかしながら、今日の情報技術の発達に伴って、利用者の意思決定に悪影響を及ぼす水準にまで会計情報が量的に拡大してしまうのではないかということが本稿の問題意識である。近代文明においては、エネルギーや情報の価値は、利用可能な時間の創造にあるとされている。したがって、会計情報として必要な量を超えたときには、会計情報の価値は利用者の意思決定に対する時間の配分自由性に置かれるべきである。時間の配分自由性に主眼を置いた会計情報開示として、要約数値とその要約数値の加工の素になった詳細なデータへのアクセス可能性を確保したシステムが望ましいものである。この結論は、代表的な要約数値であるEPS の信頼性が以下の条件において確保されていることから得られたものである。(1) EPS の利用の目的が明確にされている。(2) 目的を果たすための理論的な方法によって算出されている。(3) 包括主義損益計算書と一体化している。
- 北海道大学の論文
- 2003-12-16
著者
関連論文
- 不確実性事象の認識における蓋然性と債務性の機能
- 資産除去債務基準における資産負債の両建処理
- リスク事象の財務諸表計上への課題
- 偶発資産認識の会計処理判断プロセス : Johnson[1994]における'Lottery Ticketケース'を題材にして
- アメリカ会計基準におけるリスク概念--内容分析によるコンテクストの検討
- 1株当り利益の会計数値化
- 1株当り利益と損益計算書の融合までの過程
- 1株当り利益の計算及び開示
- 情報化社会における会計情報開示 (経済学部50周年記念号)
- 会計方針の変更と比較財務諸表
- Accounting & Legal Mind アメリカにおける企業業績表示
- 米国会計基準における会計情報の開示姿勢
- 税効果会計の適用:普通株主の視点からの検討
- 株主自己責任時代の財務報告-株当り利益中心の会計-
- リストラクチャリング負債会計基準の前史から萌芽まで : SFAS143公表前のSFAS143型の会計基準