1株当り利益の会計数値化
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概要
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本稿は、1株当り利益と損益計算書との関係を中心にして、1969年に公表されたAccounting Principles Board Opinion No.15(APBO 15)以降の1株当り利益に関する会計基準の変遷を確認したものである。 APBO 15公表以降の1株当り利益に関する会計基準、とくにStatement of Financial Accounting Standards No.128(SFAS 128)の内容を検討すると、APBO 15以降の会計基準によって計算される1株当り利益は損益計算書との関係を強める方向に変遷を辿っている。そして、1株当り利益と損益計算書との関係の強化は、会計研究、会計実務家の要求や国際会計基準委員会の主張を分析すると、FASBが独自に意識的に進めていった結果としてもたらされているのである。 したがって、APBO 15において包括主義損益計算書と融合した1株当り利益は、FASBの意識的な主導のもとで発生主義会計に合致する会計数値としての方向に進化したのであり、現在の損益計算書に表示されている1株当り利益は投資指標としての1株当り利益とは別個のFASBが独自に作り出した「会計数値としての1株当り利益」として解釈すべきものなのである。
- 北海道大学の論文
- 2005-09-08
著者
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