1株当り利益の計算及び開示
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概要
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本稿は、企業会計基準第2号とIASB 33、SFAS 128 の比較分析を行ったものである。比較分析を通じて、「基準」と、IASB 33 やSFAS 128 とでは、EPS の表示場所、複数の1株当り金額表示の有無、コントロールナンバー概念の有無、株式分割等に関する遡及修正再表示の有無、後発事象の織り込みの有無といった差異が明らかになった。これらの差異の原因は、財務報告全体におけるEPS の位置づけの相違に帰することができる。IASB 33 やSFAS 128 では、EPS を損益計算書本体で表示すべき会計数値としている。しかも、EPS がボトムラインとして損益計算書の内容を決定しているのである。これに対して、わが国ではEPS を会計外の指標ととらえているため、損益計算書本体とEPS は切り離されている。「基準」とIASB 33 やSFAS 128 との差異をなくすには、EPS を「会計数値」ととらえることが第1歩になる。しかし、EPS を会計数値ととらえることは、わが国の会計制度の全体を根底から見直すことにつながる重大な1歩になる。今後のEPS 会計基準の改定にあたっては、会計制度全般における十分な検討が必要なのである。
- 北海道大学の論文
- 2004-06-10
著者
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