北海道産多足類の数種について
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概要
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北海道のポロシリ岳(日高)とその付近および狩場山(桧山)から採集された39個体の多足類の標本を調べ, 次の5種を同定した。ニホンエスカリジムカデEscaryus japonicus ATTEMS, キタヤスデProfontaria takakuwai VERHOEFF, ツチオビヤスデEpanerchodus furculiger VERHOEFF, ムシロオビヤスデEpanerchodus fontium VERHOEFF, エゾフジヤスデTrichopachyiulus niponicus MIYOSI. これら5種のうち, ニホンエスカリジムカデ, キタヤスデおよびエゾフジヤスデは北海道固有種とみられ, 他のオビヤスデ2種は本州北部にも分布している種である。北海道の多足類には他にいくつかの固有種が知られているが, 一方道外との共通種も少なくない。道内における両者の分布模様は北海道の動物地理学上からみた多足類を論ずるうえにはなはだ興味のあるところであると思われ, 将来この方面の調査の発展を期待したい。
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