林竹二の学問観と宮教大の教員養成教育改革
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概要
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戦後の我が国の教員養成教育の歴史の中で,1970年代の宮城教育大学の大学改革は特筆すべき位置を占めているが,未だにその学問的な検証作業は未開拓状態にある。本稿は,この官教大の大学改革の検証作業の第一歩として,林竹二の学問観の分析を通して,宮教大の大学改革の理念に迫ることを課題としている。林竹二は,学ぶ者に「仮借のない吟味」を通して「自己の再形成」を迫る「己の為の学」こそが「真実の学」であり,大学はそのような意味での「己の為の学」を組織することに「責任」を負うべき教育の場であるとの学問観を有していた。この林竹二の学問観が,大学紛争後の宮教大の大学改革,特に教員養成教育改革を貫徹する理念(基本原理)となっていった。
- 弘前大学の論文
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