9033 彫物大工・島村氏の系譜について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
関東地方の社寺造営において、彫物大工の関与が判明するのは18世紀以降である。島村氏はその最初期から活動しており、後藤・石川両家と並び江戸で最も有力な彫物大工であった。 本稿では、関東地方の彫物大工の系譜を知る上で重要な島村氏の系譜について考察した。概略は、文化7年(1810)に成った彫物大工の系譜「彫工世系図」を用いてすでに述べているが、ここでは他の史料も加えて再検討した。史料は「彫工世系図」と大松寺の墓碑銘、棟札等の造営史料で、ほかに村松梢風の「島村俊明」(『近世名匠列伝』大正13年)を参考にした。「島村俊明」は、「島村家の10代目」で明治初期において彫刻界の大家となった俊明の伝記小説であるが、その「追記」に著者が記すように、俊明門下で彼の娘婿の吉田芳明、同じく門下の大槻清光らの話や、島村家の資料に基いており、信憑性は高いと考えられる。
- 1986-07-25
著者
関連論文
- 9033 彫物大工・島村氏の系譜について
- 8 神奈川県大和市の民家 : 5. 明治22〜24年頃の上草柳村の民家(歴史・意匠)
- 6 神奈川県大和市の民家 : 3. 構造形式とその変化および各部寸法(歴史・意匠)
- 5 神奈川県大和市の民家 : 2. 平面形式とその変遷(歴史・意匠)
- 4 神奈川県大和市の民家 : 1. 江戸時代の市域村落と農民の生活(歴史・意匠)
- 群馬県近世社寺造営に関与した彫物師 : 建築歴史・建築意匠
- 江戸幕府彫物大工棟梁和泉家の由緒書について : 史料としての信頼性の検討
- UDC 726.139 (MY) 重要文化財妙義神社本殿・幣殿・拝殿 附神饌所 附透塀 唐門 総門 修理工事報告書(本文編), 文化財保存技術協会編 [1990.12, 269p](建築歴史・意匠)(文献抄録)
- 9022 岡田信一郎設計の不燃構造和風意匠の建物に見られる伝統表現の方法について(建築歴史・意匠)
- 関東の彫物大工の系譜と幕府彫物大工棟梁高松家
- 昔からあった日本のベッド : 日本の寝具史, 小川光暘, [Edition Wacoal, 1990.4, 203p](建築歴史・意匠)(文献抄録)
- 江戸幕府の彫物大工棟梁和泉・高松両家について
- 江戸幕府の作事において彫物を担当した工匠の変遷と彫物大工棟梁の確立
- 9057 大正中期から昭和戦前にかけて建設された和風意匠の博物館について
- 9056 木子幸三郎設計の住宅の和室部における平面基準寸法について : 2種類の基準寸法の現在
- 9028 日光山の造営・修理に関与した彫物担当の工匠について
- 京都御所[新訂], 藤岡通夫著 [中央公論美術出版, 1987, 本文350p, 口絵32p, A4判](建築歴史・意匠)(文献抄録)
- 9015 日光東照宮寛文度修理における彫物工事担当の工匠について
- 近世初期大名普請役の動員形態 : 寛永六年江戸城普請の場合, 松尾美恵子, 徳川林制史研究所研究紀要, 昭和60年度,"8603", pp.11〜47
- 9080 日光東照宮の天和度修理における彫物工事担当の工造について
- 9031 江戸幕府作事方彫物棟梁 和泉家について
- 関東各地の彫物師の系譜と高松家 : 建築歴史・建築意匠
- 群馬県花輪・田沢地域の彫物師と公儀彫物師高松家との関連
- 9074 江戸幕府彫物大工棟梁和泉家の由緒書にみられる作事について