9080 日光東照宮の天和度修理における彫物工事担当の工造について
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概要
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日光東照宮は、寛永造替後幕末に至るまでの間に、数度の修理を受けている。これらの修理に関与した彫物大工について考察することは、幕府作事方彫物棟梁の実態や、この彫物棟梁と東照宮周辺を中心とする在郷の近世社寺建築に関与した彫物大工との関連を考える上で重要なことである。 これまでの成果として、幕府の造営における彫物大工の統轄者である彫物棟梁の地位に高松・和泉の二家が就いており、高松家の者は享保16年(1731)の日光大猷院霊廟の修理・延享元年(1744)の日光東照宮をはじめとする諸堂社の修理等に参加し、和泉家の者は延享元年の日光諸堂社の修理以後幕末までの多くの工事に参加していたことが明らかになっている。しかし、享保以前の彫物棟梁については不明な点が多い。 本稿は、この観点から、日光東照宮の天和度修理において彫物工事を担当していた工匠について考察するものである。 史料には、明治大学所蔵内藤家文書中の当度修理に関する以下の勘定帳A~Cの3冊を用いている。
- 社団法人日本建築学会の論文
- 1987-08-25
著者
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