原子吸光法による一酸化二窒素-アセチレン炎中における希土類元素のイオン化挙動の研究

概要

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一酸化二窒素-アセチレン炎中における希土類元素のイオン化挙動を原子吸光法により検討した.(0.5〜4)×10^<-4>Mの希土類元素に対して,種々の塩類を共存させた結果,塩類の濃度増加に従い,吸光度は原子線で増大,l0^<-2>M以上で一定となり,イオン線では逆に減少,高濃度になると全く吸光を示さなかった.又8eV以下のイオン化電圧をもつ共存元素はすべて原子線において各希土類元素の吸光度を増大させ,又イオン化電圧が低いほど,その効果が大きいことを示した.従って一酸化二窒素-アセチレン炎中においては中性原子とイオン及び電子との間に電離平衡にあることが推測された.いま希土類元素の酸化物の存在量は一定であると仮定して,一酸化二窒素-アセチレン炎中に存在する原子とイオンについてのみのイオン化率を実験結果から計算したところ,1×10^<-4>Mにおけるユウロピウム,ジスプロシウム,エルビウム,イッテルビウム及びスカンジウムのイオン化率はそれぞれ79%,65%,42%,35%及び18%であった.
社団法人日本分析化学会の論文
1983-12-05