ファジー推論における期待されない非線形性問題と新推論法の提案
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概要
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本論文では,ファジー推論における期待されない非線形性問題を議論して,更に新推論法を提案する.期待されない非線形性とは,線形な推論出力を期待したのに反して,一般的なMIN-MAX-重心法等の推論法では,多入力になるほど,無視できない誤差が発生して出力が非線形となる問題である.これを制御に用いると,全く予想しない場面で予期しない制御結果を与える可能性がある.この問題を解決する推論法に代数積-加算-重心法があり,完全な線形出力を得ることができる一方,代数積演算を入力数に相当する回数だけ用いるため,多入力になるほど前件部適合度の値が小さくなりすぎるなど別の問題が存在する.これら問題のトレードオフとして,ハイブリッド-MAX法及び算術平均-加算補正法を提案する.前者は,ある程度の線形性は失われるが,多入力においても誤差が比較的少なく,代数積の乗算も1回で済む等のメリットがある.後者は,いくつかの問題はあるが,代数積-加算-重心法と同様に完全な線形性を実現できる.
- 2002-11-01
著者
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水本 雅晴
大阪電気通信大学・情報通信工学部・情報工学科
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有川 晴彦
アーク・テクノリサーチ(株)
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ARIKAWA Haruhiko
Ark Techno-Research Inc.
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水本 雅晴
大阪電気通信大学
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