ラットにおける低温環境下の歩行運動が体脂肪蓄積に及ぼす影響

概要

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本試験は低温環境下で飼育されるラットの体脂肪減少に対する歩行運動の影響を検討した。試験には3週齢の雄ラット25匹を用いた。個別ケージに収容して,19匹は18±2℃の調温室で,6匹は24±2℃の調温室で7日間予備飼育をした。給与飼料は市販の維持繁殖用固形飼料を用いた。予備飼育の間に平均体重が等しくなるように各区にラットを振り分けた。試験区は試験開始時の体成分を測定する7匹のラットを配した補正区,24±2℃で自由行動のラット6匹を配した区,18±2℃で自由行動のラット6匹を配した区,同様に18±2℃で14m/分の歩行運動を課したラット6匹を配した区とした。増体量,体組成に対する環境温度の影響については18±2℃区と24±2℃区の自由行動を許容した区間で検討した。歩行運動区のラットは18±2℃の環境下で毎日短時間歩行運動に馴らした。本試験期間中の歩行運動は毎日3時間モーター付きの回転槽で行い,対照区のラットも3時間は餌が摂取できないように回収した。試験開始時に補正区のラットはジエチルエーテルで屠殺し,他のラットも4週間後の試験終了時に同様の処理を行い,常法で体組成の成分を分析した。その結果を相互の区間で比較したところ,増体量に有意差は見られなかったが,総飼料摂取量は18±2℃区が有意に(P<0.05)に多くなった。18±2℃区の飼料効率と粗タン白質蓄積率は24±2℃区に比べて有意(P<0.05)に低かった。18±2℃での歩行運動は増体量,飼料摂取量,飼料効率を有意(P<0.05)に低くした。さらに飼料由来の化学成分の蓄積率の結果から,歩行運動区の粗脂肪,熱量の値は対照区に比べて有意(P<0.05)に低くなった。本試験成績において低温環境は飼料摂取量を高めるが,増体量を高めず,適度な歩行運動はその消費エネルギーを飼料中の粗脂肪に由来していることを示唆した。
東京農業大学の論文
2003-06-20

ラットにおける低温環境下の歩行運動が体脂肪蓄積に及ぼす影響

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