持続的圧縮力はヒト歯根膜由来線維芽細胞様細胞において熱ショックタンパク質 60, 70, 90 の産生を促進する
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概要
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細胞に化学物質もしくは物理的な刺激などのストレスが作用すると, それに対する適応機構や生体防御機構として熱ショックタンパク質(HSP)が産生される.HSPは, さまざまな細胞において各種ストレスにより産生が促進されることが知られている.本研究は, 矯正治療における歯の移動時に重要な役割を演じている思われるヒト歯根膜由来線維芽細胞様細胞(HPLF)に対して持続的圧縮力(CACF)を負荷し, 細胞のタンパク質の産生, 特にHSPの産生にどのような影響を及ぼすのかについて研究し, 以下の結果を得た.1. HPLFは, 1g/cm^2の持続的圧縮力を24時間負荷した時に最も高いアルカリ性フォスファターゼ活性を示した.2. HPLFにCACFを負荷して細胞のタンパク質の発現をSDS-PAGEで解析した結果, 分子量30∿ 100kDaのタンパク質産生の促進が認められた.3. ウェスタンブロット法により, CACFはHPLFのHSP60, 70, 90の産生を促進させることが示された.CACFを負荷しなかった群と比較して, それぞれのタンパク質の産生量は約6.8倍, 約1.7倍, 約5.8倍となった.以上の結果から, HPLFにCACFを負荷させると, 細胞内タンパク質の産生に変化が見られることがわかった.その中でもHSP60, 70, 90の産生が促進され, これらがメカニカルストレスに対し, 歯根膜線維芽細胞の生体防御機構としての役割を担っていることが示唆された.
- 日本矯正歯科学会の論文
著者
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亀田 剛
日本歯科大学新潟歯学部歯科矯正学教室
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亀田 晃
日本歯科大学新潟歯学部歯科矯正学教室
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亀田 剛
日本歯科大学新潟歯学部 歯科矯正学 講座
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亀田 晃
日本歯科大学新潟歯学部 歯科矯正学 講座
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前田 隆
日本歯科大学新潟歯学部歯科矯正学教室
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