正面頭部 X 線規格写真における下顎骨輪郭線の新しい重ね合わせに関する研究
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概要
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正面頭部X線規格写真ではX線撮影時毎に頭位の位置付けを同一にすることが困難なために, そのままトレースをして重ね合わせることはほぼ不可能であり, そこから正確な情報を得ることができなかった.そこで正面頭部X線規格写真における下顎骨輪郭の重ね合わせ法を考案し, ヒト乾燥頭蓋骨を用いて頭位の違い(イヤーロッドを中心に±12°まで, 3°ずつ頭位を変化させる)による重ね合わせの変化ついて検討した.各トレース上で左右のイヤーロッドを結んだ線分をX軸, 正中線をY軸としたXY座標系を設定し, X軸から下顎骨最遠方点までの間を20等分し, Y座標を規準化した.さらに各等分した点を通るX軸に平行な線分Y=n(n=0∿20)と下顎骨の輪郭線との交点を求め, 各交点のX座標(正中線からの距離)を算出した.次にXY座標系において, 各撮影条件のY=n(n=0∿20)時のX座標をプロットした.その結果, 全部の設定頭位の重ね合わせでは下顎枝の部分では比較的標準偏差は小さく, 重ね合わせのズレが小さかったが, 下顎骨顎角部において標準偏差が大きくズレが大きかった.0°または下向きでの重ね合わせでは下顎骨顎角部付近の重ね合わせのズレも小さく, おおむね下顎骨全体において良好な重ね合わせが得られた.以上より, 頭位の設定条件としては, FH平面を床面と平行か, やや下向きにすることが重要であることが示唆された.また乾燥頭蓋骨の下顎骨の位置, 形態により下顎骨顎角部の標準偏差が変化することから, 下顎骨の位置, 形態についても考慮に入れる必要性が示唆された.
- 日本矯正歯科学会の論文
著者
-
森田 修一
新潟大学大学院医歯学総合研究科咬合制御学分野
-
森田 修一
新潟大学歯学部歯科矯正学教室
-
福井 忠雄
新潟大学歯学部歯科矯正学講座
-
福井 忠雄
新潟大学大学院医歯学総合研究科口腔生命科学専攻摂食環境制御学講座歯科矯正学分野
-
花田 晃治
新潟大学歯学部
-
花田 晃冶
新潟大学歯学部歯科矯正学教室
-
森田 修一
新潟大学歯学部
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