急性期脳血管障害患者の非麻痺側膝伸展筋力と歩行能力の関係
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概要
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本研究の目的は, 急性期における脳血管障害(CVA)患者の非麻痺側膝伸展筋力(Nonparetic Side Knee Extensor Power. NKEP)と歩行能力の関係について検討することである。対象は発症後1ヵ月時 点で歩行に介肋を要したCVA患者29名である。方法は発症後3ヵ月時点における歩行能力をFunctional Independence Measureの歩行能力分類に基づいて「発症後3ヵ月時自立群」(自立群)と「発症後3ヵ月 時非自立群」(非自立群)の2群に分類し性別, 年齢, 下肢運動麻痺の重症度. NKEP値について後方 視的に比較検討を行った。 NKEP値はCybex礼装CYBEX II^+を用い, 30 deg/secにて膝伸展トルク値を 測定し膝伸展ピークトルク体重比を求め, 各群におけるNKEP値の経時的変化, ならびに発症後Iカ 月時および発症後3ヵ月時のNKEP値と発症後1ヵ月から発症後3ヵ月におけるNKEP増加率を2群間で 検討した。その結果, いずれの群においても発症後1ヵ月時に比し発症後3ヵ月時の方が高値を示し 有意差が認められた。また, 2群間におけるNKEP値の比較では, 発症後1ヵ月時および発症後3ヵ月時 のいずれにおいても有意差が認められず, NKEP増加率に関しても同様に有意差が認められなかった。以 上の結果より, 発症後1ヵ月時点で歩行に介助を要する急性期CVA患者に関しては, NKEPが歩行能力 に及ぼす影響は少ないと考えられた。したがって, このような症例に対してはNKEPのみならず, 麻痺 側筋力, 麻年側荷重率, 坐位・立位バランスなどのNKEP以外の歩行規定因子との相互作用について検 討し, 発症からの期間や個々の症例に応じた適切なアプローチを選択していく必要があると考えられた。
- 社団法人日本理学療法士協会の論文
- 2003-12-20
著者
-
網本 和
東京都立保健科学大学理学療法学科
-
網本 和
東京都立保健科学大学
-
平野 康之
聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院リハビリテーション部
-
杉本 諭
埼玉医科大学短期大学
-
青木 詩子
聖マリアンナ医科大学病院リハビリテーション部
-
杉本 論
聖マリアンナ医科大学病院リハビリテーション部
-
青木 詩子
聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 リハビリテーション部
-
杉本 諭
聖マリアンナ医科大学附属病院 リハ
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