水田地温による寒冷地のタイヌビエ(Echinochloa oryzicola Vasing.)の葉令進展と発生終期の推定
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概要
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寒冷地におけるタイヌビエ(Echinochloa oryzicola Vasing.)の葉令進展と発生終期について水田地温との関係を調べた。水田で発生したタイヌビエが各葉令に達するまでの代かき日からの日数(DL)の逆数(1/DL)をとると,その期間の地温平均値(TA)との間に高い正の相関関係があった。また,発生終期に達するまでの代かき日からの日数(DE)の逆数(1/DE)をとると,その期間の日最高地温平均値(TM)との間に高い正の相関関係があった。これらの関係から,DLとDEについてそれぞれ1/DL=aTA+b(aは回帰係数,bは定数項),log(1/DE)=aTM+bの回帰式を得ることができた。これらの回帰式を用いることでタイヌビエの葉令進展と発生終期は水田地温で推定でき,さらに回帰式から得られるDE-DLは,発生生態から見た場合の雑草防除に必要な除草剤残効期間の推定値となる。この推定値は,寒冷地水田における除草剤散布の指標として利用可能と考えられる。
- 2002-07-25
著者
-
伊藤 一幸
東北農研
-
伊藤 一幸
東北農業研究センター
-
内野 彰
東北農業研究センター
-
渡邊 寛明
東北農業研究センター
-
渡邊 寛明
東北農業研究センター:(現)中央農業総合研究センター
-
渡辺 寛明
中央農業総合研究センター
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