甲状腺ホルモンはラット褐色脂肪細胞の分化過程で作用してGLUT4の発現及びインスリンの感受性グルコース輸送系を増強する(生化学)
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概要
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ラットの初代培養褐色脂肪細胞を用いて,グルコース輸送体(GLUT)の発現とインスリンあるいはノルエピネフリン(NE)に応答するグルコース輸送系に対する甲状腺ホルモン(T3)の作用を検討した.新生仔ラットの肩甲間褐色脂肪組織から前駆細胞を分離し,T3非存在下あるいは存在下で分化させた.ウエスタンブロット法による検討の結果,T3は濃度依存性にGLUT4の発現を増強することが判明した.GLUT1発現は,T3の影響を受けなかった.T3処理により,インスリン刺激時の最大グルコース輸送速度の上昇とED_<50>の低下が観察され,インスリン感受性が高まることが明らかとなった.一方,NEによって促進されるグルコース輸送系は,T3処理によってほとんど影響を受けなかった.以上の結果から,T3は褐色脂肪細胞の分化過程に作用してGLUT4の発現及びインスリンの感受性グルコース輸送系を増強することが明らかとなった.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 2002-08-25
著者
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