加齢に伴うウシ好中球の機能および細胞内カルシウム濃度の変化
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
加齢に伴うウシ好中球の機能および細胞内カルシウム濃度([Ca^<2+>] i)の変化を比較検討ずる目的で1週齢未満群(第1群, N=5), 2〜4週齢群(第2群, N=5)および2〜3歳齢群(第3群, N=5)の3群15頭について評価した. Candida albicans (C. albicnans)に対する貧食率は第3群に比べ第1群および第2群で有意(P<0.05)に高かったが, ウシIgG処理イーストに対するそれは第1群および第2群で有意(P<0.05)に低値であった. C. albicnansに対する殺菌率は第1群および第2群が第3群よりも有意(P<0.05)に低かった. ルミノール依存性化学発光反応は, オプソニン化ザイモザン(OPZ), 熱凝集IgG(H-agg.IgG)およびフォルボールアセテート(PMA)のいずれの刺激に対する反応も, 第3群に比較し第1群および第2群で低値(P<0.05)であった. 各群の細胞表面補体レセブター(CR3)の発現率に明らかな差は認められなかったが, IgG(Fc)に対するレセプター(FcR)の発現率は第1群および第2群が第3群よりも低い傾向を示した. OPZ刺激に伴う [Ca^<2+>] iの変化は第1群および第2群が第3群よりも有意(P<0.05)に高く, まだH-agg. IgG刺激に対する反応は逆に第1群および第2群で有意(P<0.05)に低いことが認められた. 以上の結果より, 1週齢未満群と2〜4週齢群ではCR3およびFcRを介する好中球機能が2〜3歳齢群と異なることが明らかになった. また, これらの現象は加齢に伴う [Ca^<2+>] iの変化と関連している可能性が示唆された.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1997-04-25
著者
-
野田 寛
酪農学園大学獣医学部獣医衛生学教室
-
永幡 肇
酪農学園大学獣医学部獣医衛生学教室
-
樋口 豪紀
酪農学園大学獣医学部獣医衛生学教室
-
樋口 豪紀
酪農学園大学 獣医学部 獣医衛生学 教室
-
広木 優
酪農学園大学獣医学部獣医衛生学教室
-
樋口 豪紀
酪農学園大学 獣医学部・獣医衛生学教室
-
樋口 豪紀
酪農学園大 獣医
-
樋口 豪紀
酪農学園大学 獣医
-
永幡 肇
酪農学園大 獣医
関連論文
- マイコプラズマ性乳房炎診断におけるアコレプラズマの判別とその重要性
- マイコプラズマ性乳房炎の特徴とその検査技術について
- ウシ好中球の活性酸素生成および細胞内情報伝達におよぼす補体受容体(CR3)および免疫グロブリンIgG-Fcに対する受容体(FcγR)への共刺激(免疫学)
- 日本におけるミンク腸炎 II.疫学的調査
- 日本におけるミンク腸炎 : I. 原因ウイルスの分離, 同定ならびに猫に対する病原性
- Escherichia coli による乳牛の甚急性乳房炎における血清中および乳清中サイトカインの動態と臨床症状
- Staphylococcus aureusによる乳房炎が高率に発生する酪農場におけるその制御(臨床繁殖学)
- 黄色ブドウ球菌の高率な感染が問題となっていた乳牛群の分娩前・未経産牛における乳腺分泌物の微生物学的検索(細菌学)
- バルク乳の体細胞数の把握を目的とした補助的評価法の検討
- 乳牛群における強電解酸性水硫酸銅液の趾皮膚炎による跛行の制御効果
- ウシ白血球粘着不全症(BLAD) : 総説
- ウシ白血球粘着不全症(BLAD)
- 正常牛および潜在性乳房炎牛の乳ラクトフェリン濃度
- 長期間生存した牛白血球粘着不全症牛の血清サイトカイン動態に関する検討(臨床病理学)
- 鶏全血を用いたルミノール依存性化学発光反応の測定と貪食細胞の機能評価に関する検討
- 蹄の構成成分と機能(3)蹄病と角質性状
- 蹄の構成成分と機能(2)脂質とミネラルの機能
- 蹄の構成成分と機能(1)強さを決めるタンパク質の機能
- 牛白血球粘着不全症に罹患した子牛の急性炎症期におけるサイトカインプロファイル(短報)(免疫学)
- 我が国のホルスタイン種死産牛に認められた複合脊椎形成不全症(CVM)(内科学)
- 正常牛およびウシ白血球粘着不全症牛における白血球の血管外遊走性
- 加齢に伴うウシ好中球の機能および細胞内カルシウム濃度の変化
- 牛マイコプラズマ性乳房炎の発生とその特徴
- ネパール国における水牛(Murrah cross buffalo)の乳房炎の疫学ならびに微生物学的調査(細菌学)
- 養鶏業が盛んな或る県における廃鶏を対象としたコウシエラ バーネティに関する血清疫学調査とコクシエラDNA検出の試み(短報)(公衆衛生学)
- 泌乳牛の急性乳房炎に対するオゾン療法の乳房内適用
- 好中球機能不全が疑われたホルスタイン若牛の1例
- 牛の顆粒球機能不全症候群
- 馬の腱の損傷程度を反映する血清中I型コラーゲン架橋N-末端テロペプチド濃度
- 白血球粘着不全症牛への顆粒球輸注によるCD18陽性好中球と化学発光反応の検出(短報)
- 我が国のホルスタイン種乳牛群におけるウシ白血球粘着不全症(BLAD)関連遺伝子の分布とその遺伝子頻度
- ウシ白血球粘着不全症(BLAD)の血清生化学および全血中のルミノール依存性化学発光反応の検索
- 牛の乳頭管および乳管洞の内視鏡像
- 北海道のウマにおけるRhodococcus equi抗体の保有状況
- 子馬の自然発生Rhodococcus equi感染症診断への酵素免疫吸着測定の応用
- 周産期雌馬のリンパ球幼若化能の動態
- 周産期におけるウシリンパ球の抗体産生能
- ウシ乳腺炎の乳腺組織中におけるN-アセチル-β-D-グルコサミニダ-ゼ(NAGase)およびβ-グルクロニダ-ゼ(β-Gase)活性
- 急性臨床型乳房炎経過中におけるリンパ球幼若化反応の推移
- ウシ好中球の走化能の測定
- 新生子牛の末梢血リンパ球の分離とその幼若化反応
- 蛍光定量法によるウシリンパ球幼若化能の測定
- ウシ単核細胞からの単球除去法の検討と単球除去および代謝阻害物質のリンパ球幼若化に及ぼす影響
- ウシ単核細胞中の単球の同定と測定に関する比較検討
- ウシリンパ球のE-ロゼット法の標準化とリンパ球のサブポピュレーション
- 成牛末梢血からのリンパ球分離における最適比重値の検討
- NADPHオキシダーゼ活性化機構とウシ分娩後の好中球機能低下
- PI3Kによる NADPH oxidase 細胞質因子p47^のリン酸化制御機構
- Effects of Ficoll Consentration and Blood Storage on the Separation of Lymphocytes From Bovine Peripheral Blood
- 125 馬の新生児黄疸症に関する研究 : III.1971年度の観察例および健康馬への接種試験成績 (臨床分科会)(第73回日本獣医学会)
- 新生子牛の好中球機能と細胞内情報伝達系
- Clinical and Bacteriological Studies on Gangrenous Mastitis in a Primiparous Dairy Cow
- 蹄のイボ(趾皮膚炎)の原因と対策
- 蹄の衛生管理--バイオセキュリティーから考える蹄の感染症 (特集 蹄疾患の予防と対策)
- 新生子牛の好中球機能と細胞内情報伝達系に関する研究
- 泌乳牛における分房乳の衛生学的ならびに理化学的性状に及ぼす搾乳過程および体細胞数の影響
- ウシ好中球の走化能,化学発光反応およびNBT還元能測定の臨床応用に関する研究
- 泌乳牛における分房乳の衛生学的ならびに理化学的性状に及ぼす搾乳過程および体細胞数の影響
- 自給粗飼料中のマイコトキシンが牛の生産性および疾病発生に及ぼす影響とその防除
- Environmental Risk Assessment of Tsunami-affected Areas in Ishinomaki, Japan
- 牛鼻炎Bウイルスと牛アデノウイルス7型に対する各種処理を施した消毒薬の抗ウイルス効果
- 3酪農場における自給飼料のマイコトキシン汚染とその対策
- サイレージのマイコトキシン汚染が黒毛和種子牛の発育と疾病に与える影響
- 分娩後の乳牛における Mycoplasma bovigenitalium 子宮内感染と難産および子宮内膜炎との関係