我が国のホルスタイン種乳牛群におけるウシ白血球粘着不全症(BLAD)関連遺伝子の分布とその遺伝子頻度
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概要
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我が国内のホルスタイン種乳牛群におけるウシ白血球粘着不全症(BLAD)関連遺伝子保有牛(BL-キャリヤー)率およびその遺伝子頻度を求めBLADの出生率を推定する目的で, 1994年6月から1995年8月にかけて, 国内6地域20牛群より年齢2.5歳以上の乳牛796頭の血液をDNA-PCR法で精査した. また北海道内で人工授精に供用されたBL-キャリヤー牛の精液本数からBL-キャリヤー種雄牛の遺伝子頻度を求めた. 20牛群(796頭)の雌乳牛のBL-キャリヤー率は, 0-23.5%(平均8.1%)の範囲にあった. BL-キャリヤー率は, BLADの発症が認められなかった10牛群(363頭)で0-12.5%(平均5.4%)であったが, 発症を認めた10牛群(433頭)のそれは2.6-23.5%(平均10.8%)であり, 両群間に有意差を認めた. BL-キャリヤー雌牛の年齢は2.5-11歳に分布していた. 20牛群および10牛群の遺伝子頻度(平均)は0.041および0.054であった. 1992年におけるBL-キャリヤー種雄牛精液の供用率は11.6%であり, その遺伝子頻度は0.058であった. BL-キャリヤー精液の使用頻度の高い牛群でBL-キャリヤー率は35.5%および25.8%と高く, その遺伝子頻度は0.177および0.129であった. 我が国のホルスタイン種乳牛群におけるBLAD牛の出生率は遺伝的統御が加えられない場合0.16-0.31%と推定された.
- 1997-04-25
著者
-
野田 寛
酪農学園大学獣医学部獣医衛生学教室
-
永幡 肇
酪農学園大学獣医学部獣医衛生学教室
-
三浦 豪夫
酪農学園大学獣医学部獣医衛生学教室
-
田垣 賢二
酪農学園大学獣医学部獣医衛生学教室
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大竹 恵
酪農学園大学獣医学部獣医衛生学教室
-
安田 太一
兵庫県農業共済組合
-
新岡 琴瀬
北海道宗谷地区農業共済組合
-
永幡 肇
酪農学園大 獣医
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