膨張性軟岩の工学的性状について
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概要
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9種類の軟岩について吸水膨張試験を行い, 膨張量や膨張圧などについて検討を行った。吸水膨張試験は, 自然含水比状態および自然乾燥状態で直径5cm高さ2cmの供試体に上下面および側面から吸収させる方法で行った。吸水膨張量の最大値は0.7〜19.0%であり, 吸水量も0.8〜20.3%の範囲に広がっている。最大吸水膨張量を示す時間も20〜400時間とまちまちであるが, 自然含水比試料よりも自然乾燥試料のほうが2〜7倍の大きな膨張量を示している。一方, 膨張圧試験によれば, 膨張圧の最大値は0.02〜2,44kgf/cm^2を示し, 吸水量も1.0〜10.5%の測定結果が得られている。膨張圧が最大となる時間は20〜140時間と比較的短い。吸水量と膨張量との間には一次の相関関係が認められるが, 膨張圧と膨張量の間には明りょうな相関関係は見いだせなかった。このほか, 乾燥練返し試験やスレキング試験などを行ってその差異を見た。このような吸水膨張特性は試験前含水比, 乾燥密度, 吸水率などによっても影響されるが, 含有粘土鉱物の種類とその含有量によってかなり異なるようである。
- 社団法人地盤工学会の論文
- 1981-06-15
著者
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