フィルダムにおける堤体の挙動とその解析(その1)
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概要
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兵庫県佐沖ダム(中心コア型フィルダム, 堤高39.8m, 堤長144.0m, 堤体積28万m^3)において築堤時にダム堤体および基礎岩盤内に間隙水圧計, 沈下計, 変位計, 土圧計を埋設し, 堤体盛土完了までの動態観測を行った。間隙水圧は, コアゾーンで高く, ランダムゾーンでは低い。コアゾーンにおける間隙水圧は, 一部ではある期間, 盛土高の40%を越える値を示すこともあったが, 予想より低い値を示す箇所もあった。Hilfの理論を用いて, 消散を考慮した場合の間隙水圧の理論値を求めた結果, 築堤初期の段階では実測値と比較的良い一致を見た。沈下量については, 築堤初期には急激な沈下を示すが, その後ほぼ一定値になり, ひずみが増加しないことが知られた。また, 土圧についても築堤初期に盛土荷重の2〜3倍の土圧を示すが, 築堤完了時には盛土荷重の50〜60%の値に低下する傾向が見られた。一方, 変位計に関しては断層部分の相対変位が大きく出るなどの結果が得られたが, 基礎岩盤および堤体等には何ら異常は認められなかった。
- 社団法人地盤工学会の論文
- 1981-06-15
著者
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