カーフハッチの熱的環境 : 冬期間の防風・防寒および夏期間の防暑について

概要

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カーフハッチの熱的環境について, 冬期間における防風・防寒効果および夏期間における防暑効果を野外実験および風洞実験により検討し, 次のような結果を得た。1.冬期間における防風・防寒1)カーフハッチの奥部は風向にかかわらずほぼ無風であったbまた, 風向が135°(正面を0°とした場合)を越えるとカーフハッチ内はどこでもほとんど無風状態になることを確認した。2)カーフハッチの防風効果によってもたらされる防寒効果を, 風による冷却力(WCI)によって検討したところ, 子牛はカーフハッチの奥に入るほど寒さから逃れることができるものと推察された。2.夏期間における防暑1)カーフハッチの奥壁を取り除くことにより, 通気性が著しく良好になった。2)通気性を改善して対流による熱放出を増加さぜることより, カーフハッチ内の気温が低下した。3)全てのカーフハッチ内における放射熱負荷は屋外に比べ著しく小さく, 日陰施設としての役割を果していることが明らかになった。4)日射を吸収しやすいFRP製カーフハッチの表面に白色塗装し, さらに, 奥壁を取り除くことにより, 大きな防暑効果が得られた。
日本家畜管理学会の論文
1985-03-15