ハルガヤ(Anthoxanthum odoratum L.)における花序の開花中・開花後の顕著な上昇
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概要
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ハルガヤ花序の位置は開花始めには低いが, その後の程の伸長により, 種子成熟時には高くなる。これは, 摘葉ストレスを軽減する性質と考えられるが, 詳細は不明である。そこで, 本研究では以下の問題に答えるため, ハルガヤ実験個体群をつくり詳細な測定を行った。(1)花序の位置が開花から種子成熟までの間にどのように変わるか?個体内の全花序の位置の変異がどのように推移するか?(2)花序の上昇量は開花の早い花序と遅い花序でちがうか?(3)上昇量にどの程度の個体間差があるか?33個体,合計518個の花序に印をつけ上昇パターンを追跡した結果,全ての花序の上昇を確認した。上昇量は15-25cmのものが多く, 最高値は52.2cmであった。上昇速度は開花後より開花中のほうが高い傾向にあった。一方, 個体内花序間で上昇速度に変異があり, 開花の遅い花序が早いものより上昇速度が大きかった。上昇量に有意な個体間差があり, 平均でわずか6.2cmの個体から33.4cmの個体まであった。花序の上昇の生態的意義について考察した。
- 日本草地学会の論文
- 2000-04-30
著者
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