職場の組織風土の測定 : 組織風土尺度12項目版(OCS-12)の信頼性と妥当性
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概要
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組織風土尺度30項目版(外島・松田, 1992, 1995)の短縮版を作成し, 信頼性と妥当性を検証するため, 民間企業2社の正社員819名を対象として自記式質問紙調査を実施した. 調査内容は, 原版の組織風土尺度30項目版, NIOSH職業性ストレス調査票(the Generic Job Stress Questionnaire, GJSQ), および一般健康調査12項目版(the 12-item General Health Questionnaire, GHQ-12)であった. 組織風土尺度には伝統性尺度, 組織環境性尺度という2つの下位尺度があり, それらの得点の高低によって, 各従業員が認知する組織風土を伝統自由・組織活発型(イキイキ型), 伝統強制・組織活発型(シブシブ型), 伝統自由・組織不活発型(バラバラ型), 伝統強制・組織不活発型(イヤイヤ型)に分類することができる. 原版の組織風土尺度の主成分分析を行った結果(バリマックス回転, 因子数2), それぞれの因子における因子負荷量が0.50以上であった各6項目を短縮版に採用し, 組織風土尺度12項目版(the 12-item Organizational Climate Scale, OCS-12)とした. 内的一貫性は伝統性因子がα=0.63, 組織環境性因子が0.71と許容範囲であった. OCS12の各下位尺度はGJSQの多くの下位尺度およびGHQ-12と有意に相関し, 構成概念妥当性が比較的高いことが示された. OCS-12を用いて分類した組織風土の4類型間では, イキイキ型における職業性ストレスが最も良好であった. OCS-12は職場の組織風土に関する従業員の認知を測定する上で, おおむね十分な信頼性と妥当性を有することが示唆された. (産衛誌2004;46:213-222)
- 社団法人日本産業衛生学会の論文
- 2004-11-20
著者
-
原谷 隆史
労働省産業医学総合研究所
-
原谷 隆史
産業医学総合研究所
-
原谷 隆史
職業性ストレスと健康コホート研究グループ
-
原谷 隆史
独立行政法人産業医学総合研究所
-
深澤 健二
東海大学 医学部 公衆衛生・社会医学教室
-
高橋 正也
産業医学総合研究所
-
中田 光紀
産業医学総合研究所
-
佐藤 恵美
北里大学 大学院 医療系研究科:神田東クリニック
-
島 悟
東京経済大学
-
福井 里江
日本学術振興会科学技術特別研究員
-
外島 裕
日本大学商学部
-
深澤 健二
産業医学総合研究所
-
大庭 さよ
産業精神保健研究所
-
佐藤 恵美
産業精神保健研究所
-
廣田 靖子
産業精神保健研究所
-
福井 里江
聖路加看護大学 精神看護学
-
原谷 隆史
国立公衆衛生院
-
島 悟
東京経済大 経営
-
島 悟
東京経済大学経営学部
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