無気門ダニ類の化学生態学 : XXX. イエニクダニの警報フェロモンとしてのネラールの同定
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概要
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イエニクダニGlycyphagus domesticusのヘキサン抽出物はトリデカン, ヘプタコサン, ノナコサンを主とする炭化水素部とテルペノイド部分からなっていた。テルペノイド部分はネラール(3,7-dimethyl-(Z)-2,6-octadienal, 60%), ゲラニアール(3,7-dimethyl-(E)-2,6-octadienal, 18.9%)およびギ酸ネリル(3,7-dimethyl-(Z)-2,6-octadienylformate, 21.1%)で構成されていた。これらは後胴体部腺分泌物と考えている。これらのうち, ネラールが最も高い警報フェロモン活性(10∿100ppmで活性)を示し, ゲラニアールは1,000ppmでほとんど不活性, ギ酸ネリルは1,000ppmで不活性であった。市販のシトラールも100ppmで活性を示した。ニクダニ科のダニで警報フェロモンの存在を証明できた最初の例である。
- 日本衛生動物学会の論文
- 1991-03-15
著者
-
鈴木 隆久
筑波大院・生命環境
-
松本 克彦
東女医大・総研 国環熱
-
桑原 保正
筑波大学応用生物化学系
-
岡本 雅子
東京女子医科大学国際環境熱帯医学教室
-
越井 たか子
筑波大学応用生物化学系
-
鈴木 隆久
東京女子医科大学寄生虫学教室
-
松本 克彦
筑波大学応用生物化学系
-
Kuwahara Yasumasa
Laboratory Of Chemical Ecology Graduate School Of Agriculture Kyoto University
-
松本 克彦
東京女子医大:総合研究所
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