無気門亜目コナダニ類の化学生態学第 36 報 : コナダニ虫体がネラール(警報フェロモン成分)を異性化し, 還元するのは一般的な現象か?
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概要
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コナダニ類4種の虫体がヘキサン中でネラールをゲラニアールへ異性化し, さらにこれらアルデヒドをアルコールに還元する。この反応が無気門亜目コナダニ類に一般的な現象かどうかを, 5科12種を使って調べた。8種で異性化と還元反応が確認でき, サトウダニが最も強い活性を示した。これらのダニではネラールの一部がゲラニアールへ異性化し, ネロールとゲラニオールを生成した。コナヒョウヒダニとヤケヒョウヒダニでは異性化と還元反応は認められるものの, 還元産物としてネロールだけを与えた。ネッタイチビコナダニとバイチヒゲダニでは, 異性化は徐々に進行するが, アルコールは全く生成しなかった。したがって異性化と還元反応は無気門亜目コナダニで共通に認められる現象でないと判明した。またネラールやゲラニアールを警報フェロモンとするダニでも異性化が遅く還元産物を与えない例があり, 警報フェロモンとの関連は無いと判断した。
- 日本ダニ学会の論文
- 1993-11-25
著者
-
鈴木 隆久
筑波大院・生命環境
-
鈴木 隆久
筑波大学・応用生物化学
-
松山 茂
筑波大学、生命環境科学研究科
-
木澤 祥恵
筑波大学・応用生物化学系
-
桑原 保正
京都大学・農学部・農薬研究施設
-
松山 茂
筑波大学・応用生物化学系
-
木澤 祥恵
筑波大・応生
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