実験水路の中の異なった水深と流速条件下におけるグァテマラ産ブユ Simulium ochraceum と S. horacioi の幼虫の運動
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
Simulium ochraceumとS. horacioiの幼虫が付着したポリエチレンの短冊(120cm×10cm)を, 長さ250cm, 幅10cm, 深さ7cmの樋の下半部120cmの底に設置し, 一定の水深と流速を与えて, 幼虫の運動を肉眼で観察した。また流水導入の30分後に, 樋の下半部, 上半部, ならびに樋より下流の計3カ所から, それぞれ幼虫を回収し, その個体数の比率を求めた。水深の増加(0.25cmから4cm)と流速の減少(160cm/secから2.5cm/sec)にともなって, 両種の幼虫によるおもな運動は, (1)上流へのシャクトリムシ運動, (2)絹糸を用いての下降, (3)絹糸を用いない漂流, の順に推移した。樋の下半部に30分間とどまった幼虫の率は, 両種とも流速40l/secで最高であった。流速が減少するのにともなって, 下流へ移動する幼虫の率が増加し, 流速4cm/sec, 水深0.25cmで最高となった。流速160cm/secでは, 水流の力によって流される幼虫がいた。S. ochraceumと比較すると, S. horacioiでは, 小流速における上流への移動の率, ならびに大流速における下流への流出率が, ともに高かった。
- 日本衛生動物学会の論文
- 1986-03-15
著者
関連論文
- 77 中米3カ国におけるシャガス病ベクターコントロールの取り組み
- B32 グアテマラにおけるシャーガス病 Vector Control の現状
- 地方分権体制における感染症対策の組織運営--グァテマラ共和国シャーガス病対策の事例から
- 1 グアテマラ共和国におけるブユ発生源対策(続)
- グァテマラにおける Simulium ochraceum の分布に関する地質・地形学的研究
- グアテマラ, ラバデロス川流域におけるオンコセルカ症媒介ブユ Simulium ochraceum 幼虫駆除の試み
- 25 グアテマラにおけるブユ幼虫密度調査法 2 種の比較
- 20 グアテマラにおける Oncocerca vector control 薬剤の検討
- グァテマラにおける Simulium ochraceum の生理的年齢, 卵巣小管の発育変化および吸血間隔 (gonotrophic cycle) の観察
- グァテマラのブユ Simulium ochraceum の発生源における流量の季節変化
- 実験水路の中の異なった水深と流速条件下におけるグァテマラ産ブユ Simulium ochraceum と S. horacioi の幼虫の運動
- グァテマラ共和国における Mayacnephia aguirrei の棲息河川
- グァテマラにおけるブユ Mayacnephia aguirrei の生態 : 幼虫葡蔔運動と繭の基質への付着について
- 水深と流速のグァテマラ産ブユ Simulium ochraceum 幼虫の微細分布に与える影響
- 渓床勾配と流量がグァテマラ産ブユの幼虫の分布に及ぼす影響
- 102 グァテマラ共和国におけるブユ幼虫発生水域の生息精密調査 : 1. Simulium ochraceum 幼虫の生息条件
- 8 グアテマラにおけるオンコセルカ症媒介ブユ幼虫対策
- D109 グアテマラ産ブユSimulium ochraceumの発生源の分布と地質の関係(地理的変異・分布)
- 21 グアテマラにおける Simulium ochraceum の殺虫剤感受性について
- 57 ホルバートアブの個体数推定