水深と流速のグァテマラ産ブユ Simulium ochraceum 幼虫の微細分布に与える影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
S. ochraceumが生息する水流のうち長さ2.4mを選んで, コードラットによる幼虫分布調査を行った。調査した34のコードラットのうち, 幼虫が検出されたのは, 水深3cm以下, 流速19cm/秒以上の, 4コードラットだけであった。幼虫採集用の人工基物として, 長さ5cm, 幅2cm, 厚さ2mmの鉛板を用いた。この基物を渓床に2∿5日間放置した後, 回収して付着した幼虫を採集し, また基物のあった位置の水深と流速を測定した。基物上の幼虫密度は水深0.2∿2.0cm, 流速41∿66cm/秒の組合せで最高となり, これより水深が増すごとに, あるいは流速が減少するごとに, 減少した。流速10cm/秒以下では, 幼虫が検出されなかった。長さ20mからなる五つの調査区で比較すると, 流量が大きい調査区ほど, 平均水深が大きくなり, 幾何平均による幼虫密度は小さくなった。
- 日本衛生動物学会の論文
- 1985-09-15
著者
関連論文
- 77 中米3カ国におけるシャガス病ベクターコントロールの取り組み
- B32 グアテマラにおけるシャーガス病 Vector Control の現状
- 地方分権体制における感染症対策の組織運営--グァテマラ共和国シャーガス病対策の事例から
- 1 グアテマラ共和国におけるブユ発生源対策(続)
- グァテマラにおける Simulium ochraceum の分布に関する地質・地形学的研究
- グアテマラ, ラバデロス川流域におけるオンコセルカ症媒介ブユ Simulium ochraceum 幼虫駆除の試み
- 25 グアテマラにおけるブユ幼虫密度調査法 2 種の比較
- 20 グアテマラにおける Oncocerca vector control 薬剤の検討
- グァテマラにおける Simulium ochraceum の生理的年齢, 卵巣小管の発育変化および吸血間隔 (gonotrophic cycle) の観察
- グァテマラのブユ Simulium ochraceum の発生源における流量の季節変化
- 実験水路の中の異なった水深と流速条件下におけるグァテマラ産ブユ Simulium ochraceum と S. horacioi の幼虫の運動
- グァテマラ共和国における Mayacnephia aguirrei の棲息河川
- グァテマラにおけるブユ Mayacnephia aguirrei の生態 : 幼虫葡蔔運動と繭の基質への付着について
- 水深と流速のグァテマラ産ブユ Simulium ochraceum 幼虫の微細分布に与える影響
- 渓床勾配と流量がグァテマラ産ブユの幼虫の分布に及ぼす影響
- 102 グァテマラ共和国におけるブユ幼虫発生水域の生息精密調査 : 1. Simulium ochraceum 幼虫の生息条件
- 8 グアテマラにおけるオンコセルカ症媒介ブユ幼虫対策
- D109 グアテマラ産ブユSimulium ochraceumの発生源の分布と地質の関係(地理的変異・分布)
- 21 グアテマラにおける Simulium ochraceum の殺虫剤感受性について
- 57 ホルバートアブの個体数推定