日本藍藻類第七
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概要
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本報告には11屬25種及變種について記載した.そのうち分布上注目すべきものは Homoeothrix varians, Aulosira implexa, Cylindrospermum catenatum, Oscillatoria princeps v. tenella, O. neglecta, O. guttulata, Phormidium subuliforme, Lyngbya putealis v. minor, Microcoleus Steenstruppii の諸種である.Oscillatoria Grunowiana v. maior 及び O. anguina v. tenella の2變種は最近本邦の温泉に於て發見されたものである.世界的廣布種として知られたるものも記述してあるが其大部分は日本新産である.新種としては Xenococcus violaceus, Cylindrospermum oblongum の2種を報告しておいた.Aphanocapsa. 205. A. biformis A. BR. 細胞は略々球形,通常薄い粘質鞘を備へ,屡々2箇又は4箇の細胞群を成して無色の基質内に疎に排列する.本藻は元來氣生藻として報告されてゐたものであるが往々にして水中にも生ずることが判明した.從來 A. rivularis とされてゐたものとは全く同一の種類であつて,形状に多少の差異があるのは環境の相違に基くに過ぎないと考へられる.岐阜縣吉城郡上寶村福地(高原峽)産. Xenococcus. 206. X. Kerneri HANSG. 主に流水中の藻類又は石上に著生するもので恐らく世界的廣布種の一であらう.概ね淡水産であるが稀に海産のこともある.京都市北郊の小流,別府市南方の朝見川上流に生ぜる Cladophora sp. に著生するを認めた. 207. X violaceus YONEDA, nov. sp. 植物體は孤生することもあるが多くは叢生する.細胞は概して球形に近いが其他樣々の形態をとり,多數密集せるときは相互の壓迫により角張り僞柔組織を成す.本藻は一見 X. Schousboei THURET に類してゐるが細胞はそれよりも一層大形であり,色彩を異にしてゐる.京都帝國大學理學部附屬植物園内の小流中に生ぜる Chaetomorpha sp. の絲状體に著生してゐた.
- 日本植物分類学会の論文
- 1942-05-01
著者
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