日本産イチヤクソウ類の分布と東北地方中南部欠落分布
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概要
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日本産イチヤクソウ類(イチヤクソウ属7種とコイチヤクソウ属1種の計8種)の地理分布を明らかにした。植物地理学的観点からKrisa(1971)のイチヤクソウ属内の分類システムの問題点を指摘した。それは(1)北方要素のP. asarifolia-rotundifolia群と東アジア温帯要素のP. japonica群とが同じPyrola節に入れられている,(2)Chlorantha節には3つの異なる分布要素がふくまれていることである。これら2つの節については今後再整理の必要がある。イチヤクソウ類でみられた,東北地方中南部で分布が欠落したり疎になったりする分布型は,日本の維管束植物約100種類で共通してみられることが分った。今回明らかになった東北地方中南部欠落分布は,現在の生育地や地史的・気候的背景を考えると多元的に生じたと推定される。
- 日本植物分類学会の論文
- 1991-06-25
著者
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