台湾におけるカイラン在来品種群のアイソザイム多型性
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概要
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台湾のイイラン在来品種について,集団の遺伝構造を明らかにするためにACP,PGI ,PGMならびにSDHの4種のアイソサイムについてG遺伝子座,合計16遺伝子の頻度を調査した.黄花品種群は白花品種群に比べてヘテロ型個体の頻度が高かった.多くの座,とくにACP-1とPGM-3において遺伝子型頻度はハーティー・ワインベルクの平衡の期待値に適合しなかった.平衡からのずれがみられた場合,一方の対立遺伝子の極端な低頻度あるいはヘテロ型個体の低頻度が認められ,近親交配の機会が多くなっている傾向が示唆された.集団構造を明らかにするために対立遺伝子頻度に基づいて算出した遺伝子分化係数(Gst)は,PGM-3の0.043からSDH-2の0.406まで変化し平均0.191であり,台湾におけるカイラン在来品種の遺伝子多様度の約19%は在来品種間の相対的遺伝子分化によるものであることが示された.白花品種のみの遺伝子分化係数は0.113であり,全品種に対する値より低かった.また,黄花品種群の平均遺伝子多様度(0.371)は白花品種群(0.222)より高く,黄花品種から白花品種への分化の過程で遺伝子の消失が起こり,白花品種では遺伝的多様性が黄花品種よりは低くなっているものと考えられた.他のBrassica属作物で報告為されている遺伝的多様性と比較したところ,本研究で示された台湾の在来品種群のヘテロ接合度は十分に高く,今後の育種素材として重要な遺伝資源となると考えられる.
- 日本熱帯農業学会の論文
- 2003-12-01
著者
-
野村 和成
日本大学生物資源科学部
-
米田 和夫
日本大生物資源科学部
-
米田 和夫
日大・生物資源
-
米田 和夫
日本大学生物資源科学部
-
小林 賢
日本大学生物資源科学部
-
宍戸 理恵子
日本大学生物資源科学部
-
郭 俊毅
臺中區農業改良場
-
池橋 宏
日本大学生物資源科学部
-
池橋 宏
日本大学 ・ 生物資源
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