タイ北部から導入したサヤダイコンの1種パッキフッド(Raphanus sativus L.)の生育, 花芽分化, 抽苔ならびに開花に及ぼす温度の影響
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概要
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タイ北部から導入したサヤダイコンの栄養生長, 抽苔・開花に及ぼす温度の影響について検討した.冬季播種トンネル栽培した場合, 播種期が早いほど葉の伸展開始が早かったが, その後の伸展速度は播種期が遅いほど上昇した.播種後抽苔, 開花までの日数は播種期が遅れるにしたがって減少し, 播種期によらず積算温度が約730℃ dに達した時点で開花が始まった.播種期が早いほど開花数が増加した.播種期が早いほど発芽までの日数は長くなるが, 花芽分化開始までの日数には播種期による大きな差異は認められなかった, 花芽分化開始から抽苔までの日数は播種期が早いほど長かった.以上の結果から, 冬季播種トンネル栽培においては, 播種期が早いほど花芽形成期間が長く開花数が増加するものと考えられた.栄養生長, 抽苔・開花に対する温度の影響を明らかにする目的で, 温度制御下でパッキフッドを生育させた.5℃では子葉展開後生育は停止した.10℃で生育した場合には, 60日後に抽苔を開始し, 約80%が抽苔したが, 開花には至らなかった.15℃以上に温度が上昇すると, 10℃に比べ抽苔までの日数は短くなり, 開花にまで至った.5〜10℃の遭遇期間の長さは, その後の温度上昇によって促進される開花数に影響をおよぼすことが明らかにされたことから, パッキフッドをわが国のさまざまな地域で栽培する場合には, これらの点を考慮する必要があると考えられる.パッキフッドの冬季播種栽培において多くの開花数を得るには5℃以上, 10℃以下の期間を長く保つことが重要であろう.
- 1999-03-01
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