シャコ複眼中央個眼の電気生理学的研究
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概要
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シャコ複眼中央2列の個眼網膜細胞より細胞内電位を誘導し,これを指標としてそのスペクトル感度およびCFF値を調べ,前方複眼内個眼のそれと比較した。スペクトル応答はその感度の最大波長が540nm付近にあるGreen型と,これに加え紫外部(360mm付近)にも応答の山のあるUltraviolet-Green型が併存する。これは前方複眼内個眼と同じである。CFF(Critical fusion frequency)値は刺激強度,明暗照度比,明暗周期比(PCF)などの条件によって影響を受けるが,PCF=1:5の時最高(70Hz)となるなど,前方複眼内個眼のそれとほぼ同じ特徴を示す。しかし,CFF値そのものは前方複眼内個眼のそれに比し,15%も低くなっていることを認めた。これは中央2列の個眼をはさんでいる2列のメラニン色素壁による光の遮蔽のためと考えられるが,これを照度角度と電位振幅の大きさとの関係から確かめた。Spectral sensitivities and flicker fusion frequency(CFF)were recorded intracellularly in frontal and central regions of the mantis shrimp compound eye.All retina cells had peak sensitivities at 530nm and 370nm.It is concluded that both frontal and central region eyes contain retina cells with a visual pigment absorbing maximally at 530nm.It has been found that CFF of the central region of compound eye are smaller than that of frontal compound eye every 15%.It is apparent that pigmented walls are of vital importance in the generation of the receptor potential.
- 大阪教育大学の論文
著者
-
奥野 良信
大阪教育大学生物教室
-
奥埜 良信
大阪教育大学教員養成課程実践学校教育講座
-
柳瀬 健
Department Of Biology Osaka Kyoiku University
-
梁瀬 健
大阪教育大学生物学教室
-
梁瀬 健
大阪教育大学生物教室
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