複足類アマオブネ(Nerita albicilla)の基眼
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
腹足類アマオブネNerita albicillaの基眼は,構造的には同じ腹足類にひろくみられる柄眼の原始的なものと考えられる。本実験では,微小電極法により光刺激に対する電気的応答の細胞外誘導を行った。基眼ERGの特徴として,0.2秒に達する長い潜伏期と,顕著な明順応効果とがある。明順応効果は刺激時間と刺激強度および刺激間隔によって影響を受ける。この3つの条件について検討を加え,安定したERGを得るためには3分以上の暗順応が必要であることをみた。この条件で基眼網膜全体のスペクトル感度を求め,最大感度500nmを得た。完全暗順応には約60分を要するが,これに伴う網膜内メラニン色素の移動は認知できなかった。Using the basal eye of Nerita albicilla, the electrical and spectral properties were examined. The basal eye shows a spheroidal lens in its center which is surrounded with a retina composed of several hundred visual cells. The basal eye may be an adequate material for the analysis of brightness discrimination, because of its monophasic slow negative potential with long latency. Sensitivity function of the spectral responses in this species is found to be in coincidence with a λmax of the well-known molluscan rhodopsin at 500 nm. The sensitivity of the basal eye increases under the condition of dark adaptation, although the migration of the screening pigment can not be recognized.
- 大阪教育大学の論文
著者
-
奥埜 良信
生物学教室
-
柳瀬 健
Department Of Biology Osaka Kyoiku University
-
梁瀬 健
大阪教育大学生物学教室
-
梁瀬 健
大阪教育大学生物教室
-
梁瀬 健
生物学教室
関連論文
- イネ(Oryza sativa)の教材研究(第1報) : 花器の発育と玄米の成熟経過
- 「矢田部ノート」を通してみた明治初期の動物分類学の趨勢
- イソアワモチ肺眼における視細胞とレンズ細胞の電気生理学的研究
- シャコ複眼中央個眼の電気生理学的研究
- ユウレイボヤ眼点の微細構造(生理・生化学)
- イソアワモチ背眼視細胞の微細構造
- ミツバチ単眼の微細構造
- PH118 シャコ複眼視細胞応答波形要素とCFF値との関係.
- シャコ(Squilla oratoria)複眼器-視細胞の断続光に対する応答(生物学)
- シャコ(Squilla oratoria)複眼単一視細胞の断続光に対する応答
- シャコ複眼の緑受容器と紫外・緑受容器(生理学)
- シャコ(Squilla oratoria) 複眼単一網膜細胞の単色光および偏光に対する応答
- 原始腹足類・アマオブネ(Nerita albicilla)の柄眼における電気的応答(生理学)
- 複足類アマオブネ(Nerita albicilla)の基眼
- イソアワモチ背眼の光受容(生理)
- シャコ複眼の視細胞電位(生理・生態)
- シャコ複眼の微細構造
- シャコ複眼の構造(生理)
- Pulmonata眼の光刺激に対する反応
- イソアワモチ背眼の微細構造
- 医用ビル単眼の微細構造(生理・生化学)
- ミツバチ単眼の微細構造(生理)
- イソアワモチ背眼における電気的応答(生理学)