「矢田部ノート」を通してみた明治初期の動物分類学の趨勢
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
明治10年より同23年にかけて,東京大学の初代植物学教授であった矢田部良吉が,アメリカ・コーネル大学で学んだ動物分類学ノートと当時相前後して泰西の動物書を翻訳編纂した「登高自卑」,「動物通解」の内容を比較した。更に欧米で動物発生学を学んで帰朝し,日本人としてはじめて東京大学動物学の教授となった箕作佳吉の「普通動物学講義」の内容をも加え,明治初年における動物分類学の趨勢を検討した。19世紀後半,Cuvierの人為分類は未だその基盤を失っていなかったが,動物の体制の詳細な解明,更には発生学上の知見が加わり,放射動物から腔腸動物と棘皮動物を分離独立させ,軟体動物に含まれていた被嚢類を脊椎動物の原型である原索動物に置き換え,分類の体系が漸く完成しかかっていく過程を理解することができた。We are much interested to know how the modern biology was introduced to Japan.So,Tanaka and Suzuki (1988)examined Yatabe's acceptance of plant physiology at Cornell University in 1870's through his notebook.In this report,we attempted to know what kind of animal taxonomy did he study at Cornell Univ.and read a notebook concerned with animal taxononmy and compared it with three textbooks on Zoology published then.In this research,we find that the animal classification system studied by Yatabe was the common system at that time,and that the gradual change of that system was caused by the development of embryology.
著者
-
鈴木 善次
大阪教育大学
-
柳瀬 健
Department Of Biology Osaka Kyoiku University
-
梁瀬 健
大阪教育大学生物学教室
-
梁瀬 健
大阪教育大学生物教室
-
鈴木 善次
大阪教育大学教員養成課程理科教育講座
-
鈴木 善次
大阪教育大
関連論文
- 高等学校 [地学] における環境教育 : その教材開発の一つの試み
- 水俣病を題材としたSTS(科学・技術・社会)教材の開発 (2) : 社会との関連
- 水俣病を題材としたSTS(科学・技術・社会)教材の開発 (3) : 意識調査結果
- A217 水俣病を題材としたSTS教材の開発
- 環境教育と野外教育の関連 : 小学校における野外教育の現状分析
- 子どもを生かす「綜合的な」生物学習とは
- 「矢田部ノート」を通してみた明治初期の動物分類学の趨勢
- 環境教育と野外教育の関連 : 小学校における野外教育の現状分析
- イソアワモチ肺眼における視細胞とレンズ細胞の電気生理学的研究
- 高校地学におけるSTSモジュールの開発に関する研究 -巨大建設(関西新空港と明石海峡大橋)を題材にして-
- 理科教育,そして環境教育における科学史の役割
- 科学教育への期待
- 「年号」から「文明」を問う
- 「ノーベル賞」 と 「科学の技術化」
- 「環境」 という言葉
- 「ITブーム」 と 「食環境」
- 第66回全国大会研究発表要旨 動物園の教育的価値に関する研究
- シンポジウム : 科学史と科学教育 : 1998年度年会報告
- 大学生の持つ科学者像とその変容 : IQ遺伝決定論争史の教材化
- 科学者のあり方を考えさせるSTS教育(1) : IQ遺伝論争史を事例にして
- 生物教育の現状と再構築への提言
- 環境教育の必要性 : 持続可能な社会の構築に向けて
- D211 高等学校生物教育における科学史教材の開発
- シャコ複眼中央個眼の電気生理学的研究
- ユウレイボヤ眼点の微細構造(生理・生化学)
- イソアワモチ背眼視細胞の微細構造
- ミツバチ単眼の微細構造
- PH118 シャコ複眼視細胞応答波形要素とCFF値との関係.
- シャコ(Squilla oratoria)複眼器-視細胞の断続光に対する応答(生物学)
- シャコ(Squilla oratoria)複眼単一視細胞の断続光に対する応答
- シャコ複眼の緑受容器と紫外・緑受容器(生理学)
- シャコ(Squilla oratoria) 複眼単一網膜細胞の単色光および偏光に対する応答
- 原始腹足類・アマオブネ(Nerita albicilla)の柄眼における電気的応答(生理学)
- 複足類アマオブネ(Nerita albicilla)の基眼
- イソアワモチ背眼の光受容(生理)
- シャコ複眼の視細胞電位(生理・生態)
- シャコ複眼の微細構造
- シャコ複眼の構造(生理)
- Pulmonata眼の光刺激に対する反応
- イソアワモチ背眼の微細構造
- 医用ビル単眼の微細構造(生理・生化学)
- ミツバチ単眼の微細構造(生理)
- 優生学史研究の動向III -アメリカおよび日本の優生学に関する歴史研究-
- 優生学史研究の動向(II)
- 科学史における環境教育の位置づけ
- STSリテラシーと大学生の現状
- バイオテクノロジーを題材とした大学生対象のSTS教育
- STS教材の開発に関する研究 : 大学生レベルでのバイオテクノロジーを題材とした実践
- 中等教育レベルにおける女子理科教育の歴史的考察(2) :動物・植物・生理衛生分野について
- E112 わが国における女子に対する科学教育の歴史的考察
- B116 歴史的視点を含むSTSE教材の開発と実践
- 大学一般教育におけるSTS教育の実践 (STS教育の理念と実践上の問題点)
- 中等教育レベルにおける女子理科教育の歴史的考察(1) : 物理・化学分野について
- C132 市民のための科学教育(3) : 女子に対する理科教育の歴史的分析から(続)
- 歴史的視点を加えた環境教育教材の開発 (1) : その意義と試案
- 環境教育とSTS教育との関連性についての諸考察
- D364 市民のための科学教育 (2) :女子に対する理科教育の歴史的分析から
- 市民のための科学教育 : STS教育の視点から
- E34 環境教育からみた高校「総合理科」とSTS教育
- イソアワモチ背眼における電気的応答(生理学)
- 現代社会における理科教育の役割 その2 高等学校生物におけるバイオテクノロジーの扱いに関連して
- シンポジウム : 「科学史・技術史の今日的課題」 II
- 日本の理科教科書にみられる「生物のつながり」 : ユンゲの理科教育論との関連
- 矢田部良吉における植物生理学の受容 : 明治初期の生物学移植の事例
- 環境教育と博物館 : 郷土学習の視点から
- 《座談会》「過去に学び、今を知り、未来を探る〜日本環境教育学会の20年から〜」
- 雑誌「理科教育」を通して見た日本の低学年理科教育運動の分析
- 優生学史研究の動向(II)
- 3.科学史・技術史と環境教育(第2部 科学史・技術史と環境問題,シンポジウム:「科学史・技術史の今日的課題」II)
- 優生学史研究の動向(I)
- I.学生・生徒の「科学観」とSTS教育(1989(大阪)年会シンポジウム:科学史教育の現状と展望,学会報告)