ブースターアンプを用いた分配選択型WDMシステムの検討

概要

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我々が提案している分配選択型WDMシステム(SECURECAST)の中でWDM/SCM方式のものは、利用者からの情報を波長多重したアナログ光信号として、多数の利用者に分配する。このためLDの非線形性、EDFA、光フィルタ、PDにおける歪みにより、相互変調歪に対する条件が厳しくなっている。特に波長数や、1波長当たりのチャネル数を増加させる場合、LDのチャーピングと光フィルタの透過帯域での透過率のゆがみに起因する歪みが問題となっている。一般にLD光源の特性として、バイアスを高くすると、周波数変調効率が高くなり、RINは(l_b/l_<th>-1)の3乗に比例して小さくなり、光出力が大きくなる。しかし、高バイアス動作時でのアナログ変調は、LD光のチャープを大きくするという問題が生じる。現在、我々は波長多重数の増加によるシステム容量の拡大の際し、レベルダイヤの改善のため、ブースターアンプを使用することを考えている。これを前提に、LDのチャープを低減するため、LDを低バイアスにより変調することを検討する。これは実効変調度を一定に保ったまま、低バイアスでLDを動作させたとき、変調の振れ幅が小さくなるので、低いチャープ幅になることが期待されるためである。光強度については光アンプの飽和領域での動作を考えるとLD出力は、レベルダイヤとしては問題にならない。 RINについては、このシステムはノード内で多段増幅するため、光アンプによる雑音が支配的であり、光源のRINに対する所要値はそれほど厳しくなく余裕がある。一方、電気多重としてSCMを考えた場合、100GHz間隔のWDMを実現するためには、LDのチャープを700MHz〜1GHz程度に押さえる必要がある。これは現状の典型値である数GHzを数分の1にすることで達成できるので、バイアス値の変更で対応可能と考えられる。
社団法人電子情報通信学会の論文
1997-08-13

ブースターアンプを用いた分配選択型WDMシステムの検討

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