凝縮節点ベクトルポテンシャル空間回路網による媒質特性解析

概要

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筆者はこれまで3次元電磁界の時間応答解析手法として, ベクトルポテンシャルを用いた定式化について報告し, 特徴を明らかにしてきた. その際, 磯気(A)および電気(S)ベクトルポテンシャルによりM, Pを磁気及び電気分極として, マクスウェル方程式に対応する次の基本方程式を得ている. ∇ × A = M + σS + μ_o (∂S)/(∂t) (≡ B) (1a) ∇ × S = P - σA - ε_o (∂A)/(∂t) (≡ D) (1b) さらに, 従来の各方向成分が異なる空間離散点に配置された"展開節点表示"に対して, 最近その使用が盛んになってきた格子点毎に全ての界成分が対応づけられる"凝縮節点表示"が異方性特性やエキゾチックマテリアル特性の取扱いに有効であることを示してきた. 本報告ではキラル媒質とジャイロ異方性である固体プラズマ中の伝搬特性の計算例を示す. 図1は文献の条件下でのスラブ状キラル媒質中の波長特性の計算例であり, mは断面モード, λ_oは真空中波長である. 図2は伝搬方向と垂直方向直流磁界下における損失を持つ固体プラズマ中の実効誘電率(a)と減衰特性(b)である. 各図で実線が解析解, 黒丸が本手法による計算値でありよく一致した結果を得ている.
社団法人電子情報通信学会の論文
1997-08-13