Bergeron 法を適用した室内インパルス応答解析の模型音場による検討

概要

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残響時間をはじめとする部屋の音響特性は、室内インパルス応答によって決定することができるが、これらを正確に予測するためには時間応答解析が重要である。本論文は、Bergeron 法(空間回路網法)による室内インパルス応答解析の妥当性を、単純な矩形室の模型音場を用いて検討している。すなわち、鏡面反射と、一様な吸音条件を満足するような壁面で囲まれる模型音場に対し、純音及び帯域制限したインパルス応答であるトーンバースト応答を観測し、解析結果と実験結果を比較している。更に、トーンバースト応答から残響時間を定量化して同様の比較を試みている。その結果、解析結果は実音場をよくシミュレートしており、本解析手法の妥当性が実証された。また、この際、時間応答に対する音速の影響についても、1%程度の音速の差が、応答結果に相当の影響を与えることが明かになった。残響時間については、解析値が実験値を約11%〜15%程度下回る結果となっているが、モデル整合条件などの不確定要因を無視しても、これらの結果はほぼ実用的な予測範囲にあり、本手法による音場予測の可能性が明らかになっている。
社団法人日本音響学会の論文
1992-07-01