末節線特徴を利用した指紋分類

概要

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ある十指カードと同一人のカードがあらかじめ用意された大規模な登録カードデータベースの中に存在するか否かを指紋自動識別システムによって判定する場合、同定処理の高速化と照合に必要なハードウェアの削減のために、精密照合の対象となる登録カードを絞り込む照合候補選択(分類)技術が必須となる。先に筆者らは、紋様パターンとサブ特徴を用いて分類を実行する絞り込み方式を提案した。本方式では、(1)指紋上の渦中心(コア)・三角州(デルタ)などの特異点位置や隆線を高精度に検出し、紋様の形状パターンを判定すると共に、特異点間の距離や交差隆線数といった(サブ)分類特徴をあらかじめ求めておき、(2)実際に照合対象を選択する際に、各指からの分類情報をその確信度を加味して統合する、適応型非線形情報融合判別法に基づくプリセレクションを実行するという方法により絞り込みを実現している。本方式は異なる信頼性を持つ複数の特徴を有効に融合することで高い自動分類精度を可能にしているが、将来にわたる登録データベースの大規模化に対応するためには、さらなる精度の向上が望まれていた。特に指紋の約60%以上を占める蹄状紋(loop)指紋に関しては、特徴構造としてコアとデルタ各1つしか利用していなかったため、特徴量としてはその間の距離と交差隆線数しか用いることができず、絞り込み効果が限定されるのが問題となっていた。ここでは、多くの押捺指紋画像上に存在していながら、指紋照合・分類の分野でこれまで願みられていなかった第一関節の節線(末節線)を自動抽出し、末節線とコア・デルタ間の位置関係から得られる新たな特徴を利用する分類方式を提案し、その方法と効果について報告する。
社団法人電子情報通信学会の論文
1996-09-18

末節線特徴を利用した指紋分類

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