シンクロナイザの一性能評価法
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概要
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シンクロナイザにおいては, 内蔵されるフリップフロップのメタステーブル動作に起因した誤動作が生起し得る.本論文では, この種の誤動作を統一的かつ高速に評価できる方法を提案している.まず, 統一的な評価を可能とするために, 非同期的な入力の変化時刻と同期式システムのクロックパルスの変化時刻とを比較・保持する機能をもつセルのカスケード接続により, シンクロナイザを構成している.次に, クロックパルスの変化時刻近傍での各セルの入力の振舞を表す3種の動作モードの1次元配列によりシンクロナイザの状態を表し, 状態推移を解析することにより, この状態推移が単純マルコフ連鎖であることを示している.また, メタステーブル動作に関連する状態推移確率については, 計算機シミュレーションにより比較的短時間で算出でき, 他のものについては解析結果から直ちに算出できることを示している.最後に, これらの解析結果を用いて, 誤動作発生間隔の平均(MTBF)と分散の算出式を状態推移確率の関数として与えると共に, これによる誤動作の評価例を示している.この結果によれば, 評価のための所要時間が, 既存の方法に比して, 大幅に短縮できる.
- 1998-03-25
著者
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岡本 卓爾
岡山大学工学部
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佐藤 洋一郎
岡山県立大学情報工学部情報システム工学科
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佐藤 洋一郎
岡山県立大学情報工学部
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籠谷 裕人
岡山大学工学部通信ネットワーク工学科
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寵谷 裕人
岡山大学工学部情報工学科
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山外 芳伸
岡山大学大学院自然科学研究科
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山外 芳伸
岡山大学工学部情報工学科
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佐藤 洋一郎
岡山県立大学 情報工学部 情報システム工学科
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