接触スポット内部の電流密度分布のシミュレーション

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接触部品は回路の開閉や接続に使用されており,簡単な構造ながら接触時の抵抗が低いことと開放時の抵抗が非常に高いことから,環境ノイズに強くかつ信頼性が高いので,その使用数が増加の一途をたどっている.しかし長期間あるいは多数回の使用によっては,接触部の表面が汚染,酸化あるいは傷んだりして導通不良になることがあるが,これまで接触部の表面状態と電気伝導現象との関連性についてはあまり厳密にその因果関係が調べられてはいない.そこで一つの手法として有限要素法を用い,比較的簡単なモデルで表面状態が電気伝導度に及ぼす影響について調べてきた.今回,接触スポット内部の電流密度分布を計算した結果,接触スポット部の抵抗率が小さい場合には電流はスポット全体を均一に流れることなく,スポットの周辺部,特にスポット形状が四角の場合は四隅の電流密度が極端に高まることがわかった.すなわち電気伝導度はスポットの周辺長に比例する.一方スポット部の抵抗率が上昇するにつれ,隅や周辺部での電流密度は次第に低下していき,ついにはスポット全体にわたって均一に電流が流れるようになり,電気伝導度は面積に比例する様子が定量的,図式的に示された.
社団法人電子情報通信学会の論文
1993-10-25

接触スポット内部の電流密度分布のシミュレーション

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