言語処理.の心内・脳内メカニズムを探る : 日本語使役構文の事例から(<特集>言語の学習・教育)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
日本語の使役構文には2つのタイプがあることが知られている。サセ使役(e.g「並ばせる」)が完全に規則的で生産性も高いのに対し,語彙使役(e.g.「並べる」)は規則性も生産性も低い。この2つのタイプの使役動詞形成に異なる心内メカニズムが関与しレそれが異なる脳内基盤に支えられていることを示唆するデータを,失文法失語患者を被験者とする行動実験,および健常者を対象とする事象関連電位(ERP)計測実験の結果から報告する。Pinkerらが英語の屈折を中心に提唱している二重メカニズムモデルを日本語の使役動詞形成に拡張することの妥当性が示される。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2004-12-04
著者
-
伊藤 たかね
東京大学大学院総合文化研究科
-
萩原 裕子
東京都立大学人文学部
-
萩原 裕子
国立精神・神経センター精神保健研究所 成人精神保健部
-
杉岡 洋子
慶應大学経済学部
-
杉岡 洋子
慶應義塾大学経済学部
関連論文
- 名詞複合語の獲得と構造(人間の言語処理と学習)
- The Minimal English Test : Its Correlation with the College Entrance Examination (English Part) 2004
- 事象関連電位に基づく言語処理の脳内システム解析(2)
- 日本語複文理解時における脳磁図計測
- 日本語格違反の処理に関わる事象関連電位研究(人間による言語理解・言語処理)
- 形態論の認知脳科学 (特集 形態論が拓く言語研究の可能性--カタチが伝える、コトバのしくみ)
- 言語処理.の心内・脳内メカニズムを探る : 日本語使役構文の事例から(言語の学習・教育)
- 日本語動詞のLCS推定に関して : 他動詞を中心に(辞書構築)
- 事象関連電位にもとづく文法演算処理の脳内メカニズム : 数量詞の処理にかんする事例研究
- 事象関連電位に基づく言語処理の脳内システム解析
- 日本語複文読解時における統語処理のMEG計測
- 4. 文法処理に関わる脳活動の解析(平成16年度北海道支部大会抄録, 支部大会抄録)
- 転位の起こる文を読解する時のMEGによる脳活動の解析
- 転位の起こる文を読解する時のMEGによる脳活動の解析
- 失文法の障害に反映される言語の階層構造
- 言語演算処理の型とその脳内機構仮説
- 認知神経科学 : 20世紀の到達点と,21世紀に向けての見通し
- 言語学と認知神経心理学
- 主観的事象表現と複雑述語形成
- 語や接辞の意味が語形成に果たす役割 (特集 文の意味と語の意味)
- 接辞化における意味と統語の条件
- 語形成の生産性とレキシコン
- 自動詞と共にあらわれる対格表現をめぐって
- 第五部門 Mental Lexicon の理論をめざして-"Productivity の概念を中心に
- 心理述語についての考察
- 言語・心・知識-慶應義塾大型プロジェクト 国際研究集会をふりかえって-
- 言語からみるこころと脳 (こころと脳の科学) -- (進化するこころと言葉)
- 言語理論と脳 (特集 教育を変える脳科学)
- 多チャンネル事象関連電位を用いた文理解研究 : 言語学的アプローチ(脳科学〔第7回〕, レクチャーシリーズ)
- 三項動詞文処理の多チャンネル脳波研究(セッション3)(人間による言語理解・言語処理)
- 項と付加詞の言語処理に関するERP研究(文字とドキュメントの認識・理解)
- 項と付加詞の言語処理に関するERP研究(文字とドキュメントの認識・理解))
- 文法の脳内メカニズムと第二言語習得--句構造規則の学習を中心に (特集 言語機能の脳内メカニズム)
- 脳科学と日本語研究 (日本の言語学--30年の歩みと今世紀の展望) -- (2部 日本語研究から一般言語学へ)
- 言語学と脳科学の最前線--インターフェイスを中心に (特集 言語研究のいま)
- 言語・脳・心 (特集 チョムスキー再考--言語は本能か?)
- 言語学フロンティア-19-萩原裕子--「事象関連電位」と最近の文法理論を連携させ,興味深い成果をおさめてきています(Interview)
- 日本語文処理におけるleft-corner parsingとワーキングメモリー負荷研究(人間の言語処理と学習)