言語演算処理の型とその脳内機構仮説
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概要
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言語と脳の研究で根本的な問題の一つは、頭の中でおこっている言語演算処理の本質を探ることである。本稿では、生成文法理論の枠組みで、これまで蓄積された失語症における言語障害の研究にもとづいて、言語演算処理の脳機構について包括的に検討し、新たな仮説を提案した。ブローカ野に損傷をもっ失文法失語症患者の統語解析および、単語の処理の研究から、この領域が計算システムの中核である「規則の適用による文法演算処理」に関与していること、病変部位を異にする失語症患者の研究から、連想記憶やアナロジーによる言語処理には、左側頭葉の広範囲の領域が関与しているというものである。最後に、最近の画像法や生理学的方法を用いた実験結果もこの仮説と矛盾しないことを例示した。
- 1997-11-17
著者
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