項と付加詞の言語処理に関するERP研究(文字とドキュメントの認識・理解))
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概要
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「右方転位文」と呼ばれる文を用いて,事象関連電位(ERP)実験を行った.右方転位文は,会話ではよく使われる文形式で,通常ならば動詞の前に現われる単語が,動詞の後に出現している.ERP実験で用いた刺激文は,項と付加詞の右方転位文である.項の転位文は,動詞との局所的関係が要求されるため,項と空範躊のフィラーギャップ関係を含むが,付加詞の転位文は,局所的関係が要求されないので,フィラーギャップ関係を含まない.実験の結果は,転位された項において,左後頭部,ならびに側頭部で,300msの早い潜時帯から陽性成分が出現した.転位された付加詞では,右後頭部で陽性成分が出現した.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2004-02-13
著者
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高祖 歩美
東京都立大学大学院人文科学研究科
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萩原 裕子
東京都立大学人文学部
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萩原 裕子
国立精神・神経センター精神保健研究所 成人精神保健部
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曽雌 崇弘
東京都立大学大学院人文科学研究科
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曽雌 崇弘
東京都立大学人文学部
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高祖 歩美
東京都立大学人文学部
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